2017/4/21
東京―高知間を(バスを上手に活用して)完走してからはや1年になろうとしている。
別にそれを祝うつもりもないが、3月の休日出勤ラッシュの反動としての代休ラッシュが始まったので、いっそ一泊旅行にでも行ってみるかと思い立ち、箱根の宿を予約して片道100kmの旅が始まった。
出発は午後9時半。前日に23時まで働いたので、睡眠時間に配慮しつつ少し遅めの出発となった。
朝からどんよりと黒ずんだ曇り空が広がるが、遠距離ライドには最適な気候と気温だ。

皇居あたり。こんな天気がずっと続いた。
ルートは東京―高知間の時と同じく、国道15号線をずっと南下。当時と比べて道路の端に自転車専用レーンが(形ばかりだが)設けられていて、それなりに走りやすくなっていた。
だが走りやすい理由はもちろんそれだけでなく、自転車をグレードアップしたことが遙かに大きい。恐らく去年のスピードは最高時速でも17~18km程度。だが今はちょっと力を入れれば28kmくらいなら楽々出せる。平均時速は信号による停車を考慮に入れても15kmくらいは出ているだろう。
去年はバスの使用という悪魔的気づきに至ってしまったために京都までの旅になったが、これなら5日あれば楽々高知までたどり着けるんじゃなかろうか。
そうこう考えている内に多摩川を越えて神奈川に入り、横浜を通り過ぎてはや40km経過。適当に見つけたラーメン屋で昼食を取る。

京都ラーメンの魁力屋

背脂たっぷりの濃厚ラーメン。ネギ入れ放題も嬉しい。
体重を1kgくらい増やしながら再出発。この辺から少し坂道が多くなってきたが、ギアチェンジによって楽々登れる。前回は坂道があるたびに押し歩いていたから、本当にスピードは段違いだろうなあ。
そうしておよそ60km地点の茅ヶ崎に到着。

茅ヶ崎から望む相模湾。
去年は東京―高知間の前哨戦として、ここ茅ヶ崎まで来てたんだよなあ。往復120kmなんとか走れたんで、いけると確信したんだった。結果的に140km走った翌日に膝がぶっ壊れて泣きそうになったもんだが、あの逆境もよく乗り切ったもんだよなあ、うんうん。
――そんな感慨にふけっていたところ、坂道で右膝に違和感が。
……あれ? まだ60kmですぞ? それに去年の夏にも山梨まで90km走って何ともなかったのに、どうしてここに来て?
そのまま騙し騙し10km走ってみたが、違和感はやがて明確な痛みに変わり、ちょっとペダルを漕ぐのが辛くなってきた。これはマズいと思い、道路沿いに見つけたファミレスへ緊急避難。

ソフトクリームとドリンクバー。
歩こうが走ろうが何ともないが、膝を曲げたときに痛みが走る。いつもの膝痛と同じ症状だ。
去年はこの地点くらい難なく通過していたのにどうしてかなあと考えたところ、やはりいい気になって坂道を登り続けて膝に負担がかかっていたのと、長距離の時にはいつもしていた膝サポーターを今日はしていなかったのが原因ではなかろうか。いまいち効果がわかりづらかったが、やっぱり有効だったんだなあ、膝サポーター。
とはいえ今回は<s>リタイア</s>バスを活用することはできないので、あと30km走り切るしかない。幸い小田原までは平坦な道が多かったので、少し速度を抑えながらちょっとずつ距離を稼ぐ。
16時半には小田原に到着。去年は15時くらいに着いたんだったか。でもその時は朝5時半に家を出ていたので、やはりスピードでは今の方が勝っているか。膝は弱っているが。

前回はここを左に曲がって熱海方面まで行ったが、今回は直進。
予約したホテルは箱根の入り口でもある箱根湯本にある。入り口とはいえさっそく坂道が始まり、膝にこたえる。だが交通量が多く歩道もないので、自転車を押して歩くこともできない。歯を食いしばってひた走る。

17時半、ようやく箱根湯本駅と泊まるホテルが見えてきた。もともと観光する気はなかったので、ホテルに直行。

富士屋ホテル。箱根では由緒あるホテルであり、平日なのに駐車場は満車だった。
一応、自転車を置かしてもらう旨の連絡はしてあったのだが、入口まで近づいたところで係の人が近寄ってきて「土居様ですね、こちらへどうぞ」とエスコート。やはり一流ホテルは接客も一流であると感じ入るとともに、自転車で泊まりに来るような酔狂な人間は少なくとも今日はオレ一人だったんだなあと納得。
受付に自転車を預け、チェックインして自室へなだれ込む。

一流ホテルにしては狭いが、一人で泊まる分には十分な広さ。
もともと従業員の寮を改築した部屋だそうで、他の部屋が3万円くらい平気でする中、こちらは9,800円。それでもビジネスホテルに比べれば高めだが、お目当ての温泉が最高だった。さすがに写真は撮れなかったが、広くて綺麗で泉質もつるつる。隣でくつろいでるおっさんに「あなた3万円払ってる? ボク9,800円。それでも同じ温泉入ってる」と揶揄したくなるのを抑えるのに一苦労だ。
夕食は、ホテルのレストランで提供されている天皇陛下が食されたことでも有名な2,300円のカレーを奮発する気満々だったが、ランチメニュー限定と知り愕然とする。またレストランはすべて予約制で、取り付く島もない。
やむなく痛む膝を引きずりながら湯本温泉街を歩いたが、土産物屋ばかりで飯が食えそうなところが一つもねえ。まあ食も観光も楽しむつもりはなかったので、膝のことも考えてコンビニ飯で軽く済ませることにした。

和範の、宴が始まる~~~!!
右上の大きめのティラミスから、いつもより奮発していることが推察されるだろう。
あとは食後にもう一回温泉入って、酒をかっくらって就寝。その前にヒゲの人から「今日行くから」という連絡が入るが、何とも間が悪い男である。事前に連絡してなかったのがいけないんだが。
二日目は少し寝不足スタート。何故なら寝返りを打って膝を曲げるたびに痛みが走って起きていたから。
一夜明けても全然痛みが引かず、むしろ歩いただけでも痛むようになっていた。これちょっと今日ホントに帰れるのかなあと不安になるが、とりあえず朝風呂入って朝ご飯。

朝食は和食・洋食・バイキングから選べたが、あえて和食をチョイス。
手間のかかった料理ばかりで、時間をかけてのんびりいただきました。
とはいえゆっくりもしていられない。今日はろくにスピードも出せないだろうから、昨日よりはるかに時間がかかることが予想される。朝食を終えた後はすぐに身支度を調え、8時半にはホテルを出発。
痛い。膝が痛い。このコンディションで100km走らなければならないことに絶望しか感じられない。でも走らなきゃ家に帰れない。
特に文章にしても面白くないからはしょるが、本当に大変だった。
痛みに耐えきれなくなってきたら小休止。そしたら少し走れるくらいには回復するのでまた走る。それを繰り返すうちに間隔が短くなってきて、数百メートル走ったらすぐに休憩で、なかなか先に進まない。そうこうする内に休んでも膝の痛みが取れなくなって、道ばたに十数分へたり込む。それでも痛みが引かないもんだから、片足だけで漕ごうとしてみる。でも全然上手くいかず、バランスを崩して余計痛む。このまま押して帰るかと思っても、歩いた方が痛かったりする。ギアを一番軽くしてみたが、回転数が増え膝が曲がる頻度も増えて逆効果。救急車って大きいから自転車入れて東京まで送ってくれないかなあと妄想。ヨーロッパとか電車に自転車持ち込んでも合法なのになんだよ日本ちくしょうと逆ギレ。おや気がつくとそんなに痛みがなくなってきているぞと、神様に感謝しながら再始動。でも数キロでまたすぐ痛くなってきて最初に戻る。
我ながら、よく帰って来れたと思う。
体力は全然問題ない。事故やヒヤっとするようなシーンもなかったので、技量も問題なし。やはり大事なのは膝痛対策だな。
爽快なサイクリングとは真逆な行程になってしまったので、また改めて遠出の一泊旅行には行ってみたいと思う。年一回くらいはそういうことのできるゆとりを持ちたいところだな。
ちなみに夜はカレーを食べれなかった代償として、一人ピザパーティーでしたとさ。

走行距離:197.7.4km
走行時間:15時間37分